ヒッグス粒子発見か 新粒子観測を発表 欧州合同原子核研究所
ヒッグス粒子発見か 新粒子観測を発表 欧州合同原子核研究所
産経新聞 7月4日(水)17時5分配信
物質に重さ(質量)をもたらす素粒子で、約50年前に存在が予言されながら見つかっていない「ヒッグス粒子」を探している欧州合同原子核研究所(CERN)は4日、ヒッグス粒子とみられる新粒子を発見したと発表した。日米欧の2つの実験チームの最新の研究成果を基に統一見解を公表した。さらに検証して年内にも結論が出る見通しで、物理学の歴史に残る大発見が間近に迫った。
ヒッグス粒子は物質の最小単位である素粒子の一つで、すべての物質に重さを与えているとされる。素粒子の基本法則の「標準理論」で示された粒子の中で唯一、見つかっていない「最後の素粒子」で、発見すればノーベル賞の受賞は確実視されている。
CERNは統一見解で、暫定的な結果としながらも「新粒子を観測したことは画期的で、その意味は非常に重要だ」と強調。年内にもヒッグス粒子かどうか確定するとの見通しを示した。
新粒子は陽子の約130倍の質量を持つことを観測で確認した。実験に参加している浅井祥仁東大准教授は「新粒子が別の未知の粒子である可能性も残るが、ヒッグス粒子が最有力だ」と話した。
実験は東大や高エネルギー加速器研究機構などが参加している日欧米の「アトラス」と、欧米中心の「CMS」の2チームが実施。スイス・フランス国境にあるCERNの「大型ハドロン衝突型加速器」(LHC)を使って、ほぼ光速まで加速した陽子同士を正面衝突させた。両チームともほぼ同じ質量の領域に新粒子を見つけた。
昨年12月の発表では「存在が示唆される」との表現にとどまっていたが、今回は今年4~6月の実験分を含む約2倍のデータに基づき解析した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120704-00000556-san-soci
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